基本原則
【最終回】人生を変える思考を身につける:日経ウーマンオンライン【「自尊心」養成講座】
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けれども実際には、ちょっとした視点の転換や、新しい思考をするだけで、人生を今までとはまったく違ったものに変えていくことができます。 努力は必要ですが、これまで頑張り続けてきたような、耐え続けて苦しい、そんな努力の必要はありません。
今回は、『自尊心』養成講座で最もお伝えしたい、「人生を劇的に変えてくれる4つの新しい思考法」についてお伝えしていきたいと思います。
■記憶に支配されず、今、どうするのか考える
私たちは、今という現実をリアルタイムで生きていますが、実際には常に「過去の記憶」に支配されながら過ごしています。
たとえば、初めてのことにチャレンジするときでも、「過去、失敗したからまた失敗するかもしれない」「あのときはこの程度だったから、きっとできるだろう」などと感じたりしますし、新しい人間関係のはずなのに、過去の自分のつきあいを参照しながら「きっとこの人は、私のことを否定している」「私のことを嫌っているに決まっている」などと考えながら接してしまうことがあります。
このように、間違いなく人生で初めてのまったく新しい経験をしているにもかかわらず、自分の過去の記憶からくる予想だけで判断していることは少なくありません。
本当は過去の体験とは異なるかもしれないのに、「きっと同じだ」と思うことで、過去と同じような結果を自ら引き起こしてしまったり、不幸になるパターンを続けてしまうようになります。
このようなときこそ、「過去はこういうパターンだったけれど、今回はどうだろう?」というように、現実をまったく新しい経験として、過去を参照することなく感じてみるようにしてみましょう。
今起きていることに集中して、過去の経験とは別のものだ、という視点を持つだけでも、現実をありのままに見ることができるようになります。
あるいは、新しい経験として受け取るためにも、興味深く過去の経験との違いを見いだすようにしても同じように効果があります。
現在起きていることを、「過去と一緒」と決めつけずにニュートラルに判断するようになることで、明らかな違いを見つけることができるようになると、そこから新しい可能性がどんどん広がっていくのです。
あなたの考え方次第で人生はどうとでも転ぶもの
■相手のものと自分のものを徹底的に切り分ける
私たちは、どんなに人間関係で苦しいことがあったとしても、相手の発言を、無理矢理変えることはできませんし、相手のことを取り除くこともできません。
しかし、その相手に自分がどう対処するのか、その相手の言葉を自分がどう捉えるのか、その相手に対して自分がどれだけ感情を動かし、どれだけエネルギーや時間を使うのかは自分で選ぶことができます。
相手を問題視して、「いやだ、苦しい」と考えれば考えるほど、その相手に支配されてしまい、自分の中で相手の存在が大きくなってしまいます。
このような場面では、「私は、相手によって嫌な感情にさせられている!」と感じているかもしれませんが、実際には「自分が嫌な感情をあえて大きくしながら、その自分の感情にとても注目している」ということが起きています。
同じことをされても気にしない人もいる、一方でまいってしまう人もいる、というのは、相手の動向にどう対処するのか、それをどう捉えるのかが異なるからです。
こうした場合は、落ち着いて、自分自身のことを客観視して考えるように心がけてみてください。
それは、「私はその相手のことばかり考えていて、今も気づけば何時間もその相手のことを考えてしまっていたけれど、本当にそのことを考え続けたいのか?」ということです。
本来、あなたの人生はあなたのものであり、あなたが誰と関わりたいのか、あなたがどんなことを達成したいのか、あなたがどんな女性でありたいのか、あなたが将来、どういうふうに人生を送りたいのか、それらをすべて選ぶことができます。
つまり、周りのすべての人に「私のことを愛しなさい!」と命令したり、他人をコントロールしたりすることはできませんが、あなた自身の判断で、自分が誰と関わるのか、どうしたいのか決めるのはあなたの自由であるのです。
無理に嫌いな人と関わり、苦しみを続けなければならない理由はないのです。
だからこそ、あなたが心の中でその相手に支配されることを止めて、「私の人生は私が決める」という意志を取り戻してみましょう。
あなたが美しくあることや、あなたが善くありたいと願って努力すること、あなたが人のために貢献すること、あなたが知性を持って人生を積極的に創造していくその「意志・意欲」を、他の誰も阻害することは本当はできないのです。
あなたはあなたとして、自由に人生を生きる権利を持っています。ただし、その権利をどのように行使するのかはあなた次第なのです。
■自分のために命を使う
人生は常に、すべての人に等しく24時間という時間が流れています。
そして、他の人がその時間を上手に使い、順調に進んでいるときは、自分自身が停滞してしまっているように見えるかもしれません。
けれども、より納得した幸せを得るためには、時には進むことよりも自分自身の心を癒したり、体を休ませること、立ち止まって「本当にこれがしたいことなのかな?」と考え直す時間が必要な時もあります。
他人との競争や、他人との比較で生きている間は、常に「他人の人生」が自分の人生に重なっているため、自分のために休んだり、自分のために考えたり、自分のために人生設計を変えたり……ということがとてもしづらくなります。
「あの人がこうしているから私もやらなきゃ」「あの人ができたのだから、私も頑張らなければ」というようになってしまうんですね。
これでは無意識にプレッシャーを感じ続け、いつまでも「自分のための自分の人生」を生きることができなくなります。
あくまで大切なことは、あなたがあなたとして、あなたらしくどう生きるのか?ということです。
他の人の目線や他の人の存在ではなく、あなたが自分の存在に安心して、満足しながら生きなければ、人生で幸せや豊かさをゆっくり感じられることはなくなってしまうでしょう。
言い換えれば、あなたの時間やあなたのテリトリー、あなたの基準、あなたの好き嫌いを見つけ、自由にあなたがそれらを行使していいんですね。
こうして、「自分」という存在をじゅうぶんに感じながら、自分のために考え、自分のために命という時間を使えるようになった時、今までにはなかった自由な感覚を得られるようになるでしょう