はりこ~

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利用したい行動経済学

長時間労働はNG!?いい仕事をしたいなら労働時間を減らすべき:日経ウーマンオンライン【目からウロコの仕事ハック】

 

「苦労がなければ何も得られない」というのは誰にとっても多かれ少なかれ馴染みのある考え方ではないでしょうか? 私たちは幼少の頃から学校教育、または社会によって「頑張り」や「努力」が理想だと教え込まれてきました。多く会社で昇進のために必須とされる長時間労働もこの考えに後押しされているように映ります。

 あなたは仕事の充実を何で測っていますか? いろいろなことをこなし、疲れて帰宅することでしょうか?メールを何十通、何百通も裁くことでしょうか?やることリストにあるタスクをたくさん処理することでしょうか?上述の答えが頭に浮かんだ人は心理学者たちが長年指摘してきた「労働幻想」を持っているかもしれません。

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【引用】心理学者たちは以前から「労働幻想」という現象を指摘してきた。他人の仕事を評価する時、口では仕事の質と早さを重視すると言うのだが、実際のところ相手が自分のために汗水かいているという実感を求めているのだ。
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 このような心理状態になるのは、このことから権力や優越感が得られるからかもしれません。次の例も、私たちがいかに頑張りや疲労することに重きを置くかが伺えます。

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【引用】行動経済学者のDan Ariely(ダン・アリエリー)は、錠前屋が仕事が上達するにつれチップの数が減り、価格設定に対して文句を言われるようになった話を紹介している(*)。錠前屋がひとつの仕事を少ない労力で非常に素早くこなすことができようになったため、顧客はだまされているような気持ちになったのだ。仕事が早いことは錠前屋の強みであり、欠点ではないことが明らかなのにも関わらず。
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 人がこうした心理状態になることは研究でも明らかにされています。

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【引用】2011年に行われたハーバード・ビジネス・スクールのRyan Buell(ライアン・ビューエル)とMichael Norton(マイケル・ノートン)による研究(*)では、航空券検索サイトのユーザーが検索をする際、結果が出るまで長く待たされることを好むことが分かった。それは、サイトが「一生懸命」各航空会社のデータベースを処理している状況が画面で細かく確認できるという条件付きでだが。
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「いい仕事をするにはたくさん働かなくていけない」という考えは間違え

 上述の通り、努力を執拗に求める社会の中で私たち自身もその要求に応えようと頑張るわけです。徹底した集中を伴う数時間の作業ではなく、1日中メールの処理や電話の対応などをすることから充実感を得ている人がほとんどでしょう。しかし、それは大きな勘違いでもあります。

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【引用】それはいわゆる「努力の罠」というものである。2時間集中して難しい問題について考えることとは違い、受信箱のメールを処理したり、電話をかけたりすることに10時間費やす方が簡単にやりがいを感じることができる。

 

1日10時間働くことよりも、ひとつのタスクに2時間集中する習慣を

 

本当に集中して仕事ができるのは1日のうちのわずか数時間

 私たちは「より多く」「よりたくさん」のものを得ようとするため、「時間」と「仕事の質」が比例していないことを見落としてしまいます。実際のところ本当に集中して作業をできる時間は1日のうちのわずか数時間です。

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【引用】どんなライター、デザイナー、ウェブ開発者も―金銭的にも充実感を得るという意味においても―一番多くを得られるのは2時間集中してやった作業だと言うだろう。(アーティストや作家の日課を詳細にまとめた2013年のMason Currey(メイソン・カリー)の著作『天才たちの日課:クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々』で取り上げられているほとんどの人がメインのクリエイティブな作業に4、5時間以上はかけないことが紹介されている。)
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 私たちは「疲労」を勲章のように高く掲げ、自分や他者に見せたがります。しかし、それは一種の自己満足に終始していることでもあるかもしれません。あなたのエネルギーや気力は適切な仕事に使われているでしょうか?

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【引用】意義のある仕事には必ずしも消耗がつきものではない。数時間何かに熱中することでかえってエネルギーを得ることだってある。自分のアウトプットを疲労度で測っていると、仕事というものを誤解することになるのだ。
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いい仕事をしたいならあえて労働時間を減らすべき

 「頑張って」たくさんの仕事をしようとする人は、ひとつひとつのタスクをやる意味を考えていないことがあります。直感に反するかもしれませんが、本当に有益な仕事をしたいのであれば労働時間を制限することが重要です。「いつまでも仕事ができる」と安心してしまうとそこから満足感が得られたとしても無駄な作業が非常に多くなります。

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【引用】一番重要な作業を1日のはじめにやるというアプローチは最も有効である。そうすれば、忙しく仕事をすることに陥っても、もっともいいエネルギーをその作業に無駄にすることがないからだ。仕事環境が許すのであれば、労働時間を大幅に制限することを試してみるといい。制限をかけることで、最も重要なタスクに集中できるようになるからだ。
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 結論から言うと、1日をタスクで埋め尽くすことで自分を「疲労」させることは充実した1日とは言えません。費やした時間や「頑張り」といった評価軸を外した上で、仕事へのアプローチを再検証することが必要です。

 「頑張る」ことは目的ではありません、「質の高い仕事」をすることが目的です。そして、質の高い仕事をする手段は、必ずしも自分を疲労させることではないのです。